近畿地方(関西エリア)には、国立6校・公立2校・私立1校の計9校の高等専門学校(高専)があります。 この記事では、近畿エリアの高専への進学を検討している中学生や保護者に向けて、各校の学科構成、代表倍率、学費、寮費などの基本情報を一覧で比較し、それぞれの特徴を解説します。
近畿地方の高専一覧と基本情報
| 学校名 | 所在地 | 設置区分 | 学科構成 | 代表倍率 | 寮 |
|---|---|---|---|---|---|
| 舞鶴工業高専 | 京都府舞鶴市 | 国立 | 4学科(機械/電気情報/電子制御/建設システム) | 約1.4倍 | あり |
| 明石工業高専 | 兵庫県明石市 | 国立 | 4学科(機械/電気情報/都市システム/建築) | 約1.0倍 | あり |
| 奈良工業高専 | 奈良県大和郡山市 | 国立 | 5学科(機械/電気/電子制御/情報/物質化学) | 約1.1倍 | あり |
| 和歌山工業高専 | 和歌山県御坊市 | 国立 | 4学科(知能機械/電気情報/生物応用化学/環境都市) | 約1.7倍 | あり |
| 鈴鹿工業高専 | 三重県鈴鹿市 | 国立 | 5学科(機械/材料/電気電子/電子情報/生物応用化学) | 約2.2倍 | あり |
| 鳥羽商船高専 | 三重県鳥羽市 | 国立 | 2学科(商船/情報機械システム工学) | 約1.7倍 | あり |
| 神戸市立工業高専 | 兵庫県神戸市 | 公立 | 6学科(システム情報/知能ロボット/機械システム/電気電子デザイン/環境応用化学/都市デザイン) | 約2.4倍 | なし |
| 大阪公立大学工業高専 | 大阪府寝屋川市 | 公立 | 総合工学システム学科(1学科制・4コース) | 約1.8倍 | なし |
| 近畿大学工業高専 | 三重県名張市 | 私立 | 総合システム工学科(1学科制・4コース) | 非公表 | あり |
※神戸市立高専・大阪公立大高専には学生寮がなく、自宅からの通学が基本です。
各校の特徴と代表倍率
国立高専(6校)
- 鈴鹿高専:機械・材料・電気電子・電子情報・生物応用化学の5学科。代表倍率は約2.2倍と、近畿の国立でも高倍率です。
- 鳥羽商船高専:商船学科・情報機械システム工学科の2学科。全国5校の商船高専の一つで、代表倍率は約1.7倍。
- 和歌山高専:知能機械・電気情報・生物応用化学・環境都市の4学科。代表倍率は約1.7倍。
- 舞鶴高専:機械・電気情報・電子制御・建設システムの4学科。代表倍率は約1.4倍。
- 奈良高専:機械・電気・電子制御・情報・物質化学の5学科。代表倍率は約1.1倍で、近畿の中では比較的入りやすい水準です。
- 明石高専:機械・電気情報・都市システム・建築の4学科。代表倍率は約1.0倍で、こちらも比較的入りやすい水準です。
公立・私立高専(3校)
- 神戸市立高専(公立):システム情報・知能ロボット・機械システム・電気電子デザイン・環境応用化学・都市デザインの6学科。代表倍率は約2.4倍と、近畿でも屈指の人気校です。学生寮はありません。
- 大阪公立大高専(公立):総合工学システム学科の1学科制(4コース)。大阪公立大学への接続が特徴で、代表倍率は約1.8倍。学生寮はありません。
- 近大高専(私立):総合システム工学科の1学科制(4コース)。近畿大学への内部進学(編入)枠が充実。倍率は当サイトで未集計(非公表)です。
近畿で代表倍率が高いのは神戸市立(約2.4倍)・鈴鹿(約2.2倍)・鳥羽商船(約2.0倍)です。一方、明石(約1.0倍)や奈良(約1.1倍)は当サイトのデータ上は比較的入りやすい水準にあります。倍率は年度・学科・方式で変動するため、志望校の最新値は必ず公式でご確認ください。くわしくは「高専の倍率まとめ」をご覧ください。
学費と寮費の目安
- 国立高専の学費(年間):約234,600円(入学料84,600円は初年度のみ)
- 公立高専の学費(年間):授業料は国立とほぼ同水準。入学料は市内/府内・市外/府外居住者で異なります
- 私立高専(近大高専)の学費:国公立より高く、詳細は公式でご確認ください
- 寮費(月額):約30,000〜50,000円前後(寮のある学校の場合。神戸市立・大阪公立大は寮なし)
※本科1〜3年は高等学校等就学支援金の対象です。2026年度から所得制限が撤廃され、国公立高専は年額234,600円(授業料の全額)が支給されるため、授業料は実質0円になります。学費の詳細は「高専の学費まとめ」をご覧ください。
卒業後の進路:難関国立への編入ルートが厚い
近畿の高専の卒業者1,243名を合わせると、就職62.3%・進学35.4%です(各校の最新年度を卒業者数で加重して算出。神戸市立高専は進路の率は公表しているものの卒業者数を出していないため、加重平均の対象から外しています。9校中8校ぶんの集計です)。全国56校の平均は就職59.0%・進学38.5%なので、近畿はやや就職寄りに見えます。
ただしこの平均は校ごとの差を均してしまっています。明石高専は進学率63.7%で全国でも上位に入る一方、近大高専は11.3%、鳥羽商船高専は16.8%です。エリア内で52ポイントの開きがあり、平均値だけを見て志望校を判断すると実態を外します。鳥羽商船が低いのは商船学科の性格によるものです。商船学科は5年半の課程を修めると3級海技士(航海・機関)の筆記試験が免除されるため、進学より乗り組む道を選ぶ学生が多くなります(→ 商船学科の仕組みは中国地方の記事でくわしく触れています)。鳥羽商船を除く7校で計算すると進学37.4%となり、全国平均にほぼ並びます。
このエリアで最も特徴的なのは編入先の顔ぶれです。編入実績データのある9校すべてで豊橋技術科学大学、8校で長岡技術科学大学が上位に入るのは全国共通ですが、近畿ではその次に京都工芸繊維大学が4校、大阪大学が4校、神戸大学が3校、大阪公立大学が2校と難関国立大学が並びます。技術科学大学以外の選択肢がこれだけ厚いエリアは他にありません。
進路の全体像は「高専の就職率のホント」と「高専から大学編入する方法」でくわしく解説しています。
近畿地方の高専の選び方
- 通学か寮生活か:神戸市立・大阪公立大は寮がないため、自宅から通える範囲かが重要です。
- 大学への接続:大阪公立大高専は大阪公立大学、近大高専は近畿大学への進学に強みがあります。
- 難易度(代表倍率)の確認:神戸市立・鈴鹿・鳥羽商船は高めです。志望校の最新倍率を公式で確認しましょう。
まずは各校の公式サイトやオープンキャンパスで、実際の雰囲気を感じてみることをおすすめします。
気になる学校を比べてみましょう
出典・参考資料
- 独立行政法人 国立高等専門学校機構および各校公式募集要項(2026年度版)
- 当サイト調べ(2026年7月時点・kosen.json 照合済)
【重要】当サイトのデータについて 高専には公的な「偏差値」は存在しません。当サイトでは、偏差値の代わりに「倍率」や「入試方式」を難易度の目安としています。 倍率は各校の最新年度・全学科・全方式を合算した志願倍率(代表倍率)で、学科別の倍率ではありません。学費・寮費・倍率などの数値は各校の公式募集要項および当サイト調べ(2026年7月時点)に基づきます。最新の金額・日程は必ず各校公式の募集要項でご確認ください。





