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私立高専の学費は実際いくら?4校の定価と就学支援金を引いた実質負担

私立高専4校の定価は5年間で345万〜1,023万円。ただし本科1〜3年は就学支援金で年45万7,200円が授業料に充てられ、4〜5年で対象外になります。定価と実質負担を並べました。

目次
  1. 結論: 定価の差より「いつ払うか」の差が大きい
  2. 私立高専4校の定価(入学金+授業料)
  3. 就学支援金を引くと、前半3年はここまで下がります
  4. 4〜5年で負担が跳ねる。近畿大学工業高専が分かりやすい例です
  5. 授業料のほかに毎年かかるもの
  6. 寮費は学費と別にかかります
  7. 国際高専は「留学費も学費」として見てください
  8. 神山まるごと高専だけ、仕組みが違います
  9. 国公立との差はどれくらいか
  10. まとめ
  11. 関連記事

結論: 定価の差より「いつ払うか」の差が大きい

私立高専は全国に4校しかありません。学費は学校ごとの設定で、5年間の定価は345万円から1,023万円まで開きます。

ただし、定価だけを見て比べると実態を見誤ります。理由は2つです。

  1. 本科1〜3年は高等学校等就学支援金の対象で、私立高専は年額45万7,200円が授業料に充てられます。令和8年度(2026年度)から所得制限が撤廃され、世帯年収にかかわらず対象です [1]。
  2. 本科4〜5年はこの制度の対象外です。4年生からは大学生と同じ枠組み(高等教育の修学支援新制度)に移るため、要件が変わります。

つまり私立高専の学費は「前半3年は国の支援で大きく下がり、後半2年で戻る」という形をしています。学年で授業料そのものが上がる学校もあるため、後半の負担は二重に増えます。

この記事では、当サイトに登録している4校の公式データをもとに、定価と実質負担を並べます。


私立高専4校の定価(入学金+授業料)

学校 所在地 入学金 授業料(年額) 5年間総額
神山まるごと高専 徳島県 230,000円 2,000,000円 10,230,000円
サレジオ工業高専 東京都 300,000円 630,000円 3,450,000円
国際高専 石川県 200,000円 1,824,000円 7,298,000円
近畿大学工業高専 三重県 220,000円 520,000円 ※ 4,148,000円

※近畿大学工業高専の授業料は学年で変わり、表の520,000円は1〜3年の額です。4〜5年は1,184,000円です。5年間総額はその差を織り込んでいます。 ※国際高専の授業料は1・2年が1,824,000円、3年が250,000円、4〜5年が1,600,000円です。 ※この表は入学金と授業料だけを足した額です。施設設備費・教材費・諸会費・寮費は含みません(後述)。全58校を同じ物差しで並べるための基準で、全58校の学費一覧と同じ集計です。

就学支援金を引くと、前半3年はここまで下がります

高等学校等就学支援金は、本科1〜3年の授業料に充てられる国の制度です。私立高専の支給上限は年額457,200円(1か月あたり38,100円)。授業料がこれを下回る場合は授業料の額までが支給され、差額が現金で戻ることはありません [1]。

これを4校の授業料に当てはめると、次のようになります。

学校 1〜3年の授業料 支援金適用後(年) 4〜5年の授業料
サレジオ工業高専 630,000円 172,800円 630,000円
近畿大学工業高専 520,000円 62,800円 1,184,000円
国際高専(1・2年) 1,824,000円 1,366,800円 1,600,000円
国際高専(3年) 250,000円 0円 —

神山まるごと高専は仕組みが異なるため、別に説明します。

5年間の授業料を足し直すと、こうなります。

学校 授業料の定価(5年) 支援金適用後(5年) 差額
サレジオ工業高専 3,150,000円 1,778,400円 −1,371,600円
近畿大学工業高専 3,928,000円 2,556,400円 −1,371,600円
国際高専 7,098,000円 5,933,600円 −1,164,400円

入学金を足した5年間の自己負担は、サレジオ工業高専が約208万円、近畿大学工業高専が約278万円、国際高専が約613万円(後述のニュージーランド留学費を除く)という計算になります。

ここで注意していただきたいのは、支援金は申請しないと受け取れないことです。支給は原則として通算36か月で、学校が代理受領して授業料に充てる形が一般的です。高専から高校へ、あるいは高校から高専へ転学した場合は、それまでの在籍月数が通算されます。

4〜5年で負担が跳ねる。近畿大学工業高専が分かりやすい例です

4年生になると就学支援金の対象から外れます。ここに「学年で授業料が上がる」が重なると、負担の増え方が急になります。

近畿大学工業高専の学年別の納付金合計は、公式の入学試験要項に次のように示されています [5]。

学年 納付金合計
1年 879,500円(入学金220,000円を含む)
2年 649,500円
3年 649,500円
4年 1,313,500円
5年 1,313,500円

2〜3年の約65万円に対して、4年からは約131万円と2倍になります。さらにこの学年から就学支援金も無くなるため、実際に家計から出る額の差はもっと大きくなります。1〜3年の授業料だけを見て「私立でも年52万円なら」と判断すると、4年目で見込みが狂います。

なお、この学年別合計を5年分足すと 4,805,500円です。先ほどの比較表の4,148,000円(入学金+授業料)より約66万円多いのは、教育充実費(年100,000円)・保護者教育後援会費(年15,000円)・学生会費(年10,000円)・学生健康保険互助組合費(年4,500円)などが入っているためです。比較表は全校共通の物差しなので、実際に納める額はこちらで見てください。

授業料のほかに毎年かかるもの

どの学校も、授業料とは別に年単位でかかる費用があります。就学支援金は授業料に充てられる制度なので、これらには使えません。

  • サレジオ工業高専: 施設設備費180,000円/年、実験実習費48,000円/年、校費81,000円/年、父母会費等9,800円/年。公式資料では初年度経費の合計が1,028,550円と示されています(入学金・出願費は別)[3]。
  • 近畿大学工業高専: 上記の学年別合計に含まれています [5]。
  • 国際高専: 育友会費20,400円、学生会費9,600円、同窓会費6,000円。3〜5年は教材費が約60,000円 [4]。
  • 神山まるごと高専: 教科書・教材費が数万円、ノートPCなどが別途必要です [2]。

寮費は学費と別にかかります

私立4校はいずれも寮があります。自宅から通えない場合、寮費が5年間で学費に匹敵する規模になることもあります。

学校 月額 内訳・条件
神山まるごと高専 100,000円 食費込み。全寮制 [2]
サレジオ工業高専 40,000円 室料20,000円+水道光熱費20,000円。食事の提供は無く食費は別。入寮費100,000円。直営寮は男子専用で、女子は委託寮(別料金)[6]
国際高専 98,000円 寮費45,500円+食費52,500円。1・2年は全寮制 [4]
近畿大学工業高専 約44,333〜54,833円 寮費22,000円+諸費1,333円+食費。食費は日額1,050円のみ公表のため、月20日で約44,333円・月30日で約54,833円として当サイトが算出した推計です。入寮金50,000円 [7]

近畿大学工業高専の食費は日額しか公表されていないため、当サイトの推計であることを明記しています。正確な額は各校にご確認ください。寮のある55校の月額を横断で調べた寮費の記事もあわせてご覧ください。

国際高専は「留学費も学費」として見てください

国際高専は3年次に全員がニュージーランドへ1年間留学します。選択ではなく必修なので、その費用は実質的に学費の一部です。

公式の学校納入金には、3年次にオタゴポリテクニクの授業料25,831ニュージーランドドル、ホームステイ費用20,713ニュージーランドドルがかかると示されています。学校の換算レート(1NZドル=90円)で合わせて約419万円です(渡航費は別)[4]。

これを含めると、5年間の実質負担は約1,032万円となり、私立4校の中で最も大きくなります。3年次の国内授業料が250,000円と低いのは、その年の主たる学びがニュージーランドにあるためで、安いわけではありません。

NZドル建てのため為替で動く点にもご注意ください。正確な額は公式資料でご確認ください。

神山まるごと高専だけ、仕組みが違います

神山まるごと高専の授業料は年200万円で4校中もっとも高い設定ですが、希望する学生全員に学費相当の年200万円を5年間給付する返済不要の制度があります。世帯年収による制限はありません [2]。

このため授業料の自己負担は実質的にありません。国の就学支援金がこの給付に上乗せされるのではなく、2つを合わせて学費をまかなう設計です。

入学金23万円は世帯年収398万円以下の世帯に給付されます。寮費(月10万円)も、負担が世帯年収の9.03%以下になるよう設計された給付があり、世帯年収398万円以下の場合は最大120万円が給付されます [2]。

給付には申請と継続審査があります。条件は必ず公式の「学費・奨学金」でご確認ください。

国公立との差はどれくらいか

国立51校・公立3校は5年間の総額(入学金+授業料)が1,257,600円でほぼ共通です。国公立の授業料は年額234,600円で、就学支援金の国公立上限(年額234,600円)と同額のため、本科1〜3年の授業料は実質0円になります [1]。

つまり支援金適用後で比べると、国公立の5年間はおよそ55万円(入学金84,600円+4〜5年の授業料469,200円)。これに対して、

  • サレジオ工業高専: 約208万円(差 約153万円)
  • 近畿大学工業高専: 約278万円(差 約223万円)
  • 国際高専: 約613万円+NZ留学約419万円

という開きになります。ただし私立4校はいずれも特待生制度や独自の給付を持っており、条件を満たせば実質負担はさらに下がります。定価の数字だけで判断せず、「その学費で何が提供されるのか」「どの支援が受けられるのか」を各校の公式資料で確認したうえで、ご家庭の方針と照らし合わせてください。

学費の全体像は高専の学費ガイドに、全58校の横並びは全58校の学費一覧にまとめています。

まとめ

  • 私立高専4校の定価は5年間で345万〜1,023万円(入学金+授業料)。
  • 本科1〜3年は就学支援金で年45万7,200円が授業料に充てられ、所得制限はありません。4〜5年は対象外です。
  • 近畿大学工業高専は4年から授業料そのものが約2倍になり、支援金の終了と重なります。
  • 施設設備費・教材費・諸会費・寮費は別途。比較表の額と実際に納める額は違います。
  • 国際高専は3年次のニュージーランド留学(約419万円)が必修のため、これも学費として見る必要があります。
  • 神山まるごと高専は希望者全員への学費給付があり、授業料の自己負担は実質ありません。

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関連記事


References

[1] 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342600.htm [2] 神山まるごと高等専門学校「学費・奨学金」: https://kamiyama.ac.jp/guidance/tuition/ [3] サレジオ工業高等専門学校「2026年度入学生 費用や支援金制度について」: https://www.salesio-sp.ac.jp/main/pdf/to_examinee/shienkin2026.pdf [4] 国際高等専門学校「学校納入金等」: https://www.ict-kanazawa.ac.jp/ja/admissions/admissions/chapter6/ [5] 近畿大学工業高等専門学校「令和9年度入学試験要項」7. 入学金及び各学年毎の学費等: https://www.ktc.ac.jp/nyushi/honka/ [6] サレジオ工業高等専門学校「男子学生寮について(SITEC多摩境寮)」: https://www.salesio-sp.ac.jp/main/pdf/dormitory/2026-sirec_pamphlet.pdf [7] 近畿大学高専「学生寮のご案内(百合が丘寮/メゾンラピタ提携寮)」: https://www.ktc.ac.jp/img/nyushi/docs/2026/ryou2026.pdf

※本記事の金額は2026年9月時点の当サイト調べ(kosen.json照合済)です。学費・支援制度は改定されることがあります。出願前に必ず各校の公式募集要項でご確認ください。

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