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高専の寮費は月いくら?寮のある55校の内訳を一次資料で調べ直した

寮のある55校の寮費を、寄宿料・運営費・食費・寮生会費に分けて各校の公式資料から取り直しました。国立の月額は中央値で約48,900円。差をつくるのは部屋代ではなく食費で、月額の4分の3を占めます。

目次
  1. 結論: 国立の寮費は月額の中央値で約48,900円。差をつくるのは食費
  2. 寮費は4つの費目でできている
  3. 部屋代では差がつかない——51校中48校が月700円
  4. 差をつくっているのは食費——月額の4分の3
  5. 17校は、月額が一つの数字に決まらない
  6. 資料を2つ突き合わせないと出せない学校もあります——鈴鹿高専の例
  7. 私立4校は前提そのものが違う
  8. 入寮費は33校で設定あり
  9. 5年間でいくらになるか
  10. 保護者のための確認チェックリスト
  11. まとめ
  12. 関連記事

結論: 国立の寮費は月額の中央値で約48,900円。差をつくるのは食費

お子さんの高専進学を考えるとき、「寮費は月いくらかかるのか」は保護者にとって切実な疑問です。当サイトでは寮のある55校について、各校の募集要項・入寮のしおり・寮のページにあたり、寮費を寄宿料(部屋代)・運営費(光熱水費など)・食費・寮生会費の4つに分けて取り直しました(2026年8月時点)。分かったことは次の3点です。

  1. 国立高専51校の月額は、中央値で約48,900円。半数の学校が約42,000〜53,300円に収まります
  2. このうち約4分の3が食費です。部屋代(寄宿料)は51校中48校が月700円で、学校差はほとんどありません
  3. 食費を1日あたりの金額でしか公表していない学校が17校あり、これらの学校の月額は一つの数字に決まりません

3点目は少し分かりにくいので、先にお断りしておきます。給食が月に何日出るかは学校によって違い、その日数を公表している学校はごくわずかです。そのため本サイトでは、そういう学校の寮費を「約41,300〜55,600円」のように幅で載せています。一つの数字に見せかけるほうが読みやすいのですが、それをやると必ずどこかの学校について誤った額を出すことになります。

寮費は4つの費目でできている

まず、寮費と呼ばれているものが何でできているかを見ます。内訳を丁寧に公表している仙台高専を例にとります。

費目 月額
寄宿料(2人部屋) 700円
共益費 12,000円
給食費 約49,000円
合計(学校公表) 約61,800円

出典: 仙台高等専門学校「学生寮」(松韻寮・広瀬キャンパス。寮生会費7,000円/年・保護者会費2,000円/年は別)

寄宿料そのものは月700円です。61,800円という金額の大半は食費で、共益費(光熱水費など)がそれに次ぎます。この構造は、程度の差はあれ55校にほぼ共通しています。

部屋代では差がつかない——51校中48校が月700円

国立高専の寄宿料は法令に基づいて定められており、金額はほぼ全校で同じです。

寄宿料(月額) 学校数
700円 48校
800円 3校

800円の3校(福井・奈良・沖縄)は、部屋タイプ別の内訳を出さずに800円とだけ公表している学校です。いずれにせよ差は月100円で、「どの高専に入るか」で部屋代が変わることは実質的にありません

部屋代に運営費(光熱水費・空調費など)を足した「住む」部分でも、月額の中央値は11,800円。半数の学校が9,200〜14,500円に収まります。ここでも学校差は数千円です。

差をつくっているのは食費——月額の4分の3

一方、食費は月20,000円台から49,000円まで開きます。食費の額を公表している国立50校(食費を幅でしか出していない奈良を除く)で見ると、食費が月額に占める割合は中央値で75%。半数の学校が69〜79%の範囲に入ります。

つまり、「寮費が高い学校」と「寮費が安い学校」の差は、ほぼそのまま食事の量と回数の差です。この見方をすると、金額の高低は次のように読み替えられます。

例1: 月額が確定する学校でいちばん安い阿南高専(月28,825円)

阿南高専は給食費を年額264,000円と公表しています。同じページに日額1,500円とも書かれているので、割ると年間およそ176日分。土日や長期休業には給食が出ない計算です。安いのは寮が質素だからではなく、食事の提供日数が少ないからで、その分は帰省や自炊・外食でまかなうことになります。

例2: 月額が確定する学校でいちばん高い小山高専(月62,616円)

小山高専の給食費は月48,000円(1日3食で1,600円)。日額そのものは他校と大きく変わりませんが、月額として提示されている点が阿南と違います。

例3: 内訳をいちばん丁寧に書いている和歌山高専(月約43,000円)

和歌山高専は日額給食材料費を「1,015円×20日(1日3食 土・日・休日およびそれらの前日の夕食を除く)」と、日数まで明記しています。だからこの学校については、こちらで日数を仮定する必要がありません。学校自身も「学寮経費および給食費計 約43,000円(1ケ月)」と月額の合計を出しています。

そのうえで、同じ資料にこう書き添えられています。

土・日・休日を全て在寮すれば、上記給食費の外に約12,000円(1ケ月)程度必要です。

ここまで書いてくれる学校は多くありませんが、実際にはどの学校でも同じことが起きています。週末に帰省するか寮に残るかで、月々の食費は1万円前後動きます。

17校は、月額が一つの数字に決まらない

食費を「1日あたり◯円」の形でしか公表していない学校が17校あります。前の節の和歌山高専のように給食日数まで書いてくれる学校はごく少数で、多くは日額だけが載っています。

日数が分からない以上、こちらで仮定するしかありません。そこで本サイトでは、給食が月20日の場合と30日の場合の両方を計算し、幅として載せています。

学校 給食費(日額) 月額の幅
高知高専 1,458円 約35,860〜50,440円
佐世保高専 1,430円 約41,300〜55,600円
沖縄高専 1,500円 約35,700〜50,700円

同じ学校でも月に1.4万円ほど動きます。この幅は学校ごとの費用の差ではなく、公表されている情報の細かさの差です。幅が広い学校が高いわけでも安いわけでもありません。

なお、奈良高専は学校自身が給食費を「約15,000〜50,000円」と幅で公表しています。これはこちらの仮定ではなく学校の数字で、合計は約27,258〜62,258円になります。

資料を2つ突き合わせないと出せない学校もあります——鈴鹿高専の例

寮費が「調べれば載っている」とは限りません。鈴鹿高専は、公式資料を1つ読むだけでは月額が出ない学校でした。

学寮のしおり(令和8年度)には、寄宿料700円、学寮生活費13,000円(月額)、エアコン費21,000円程度(半期)と、「住む」部分が書かれています。エアコン費を月割りすると運営費は16,500円。ここまでは1つの資料で足ります。ところが食費については、こう書かれているだけです。

食費の詳細については、4月に保護者宛に通知します。

同じしおりに「(週末等の食券金額) 1日分 970円(朝食190円、昼食300円、夕食480円)」という数字は出てきます。これは週末限定の特別価格ではありません。少し先の「欠食する場合の手続きと返金について」に「上記金額(食材料費)を返金します」とあり、学校自身がこの970円を食材料費の単価として扱っています。

ただし、これを日額として使うと足りません。高専の給食費は、食材料費と諸経費(光熱水費・人件費・資材)の二本立てで請求されるからです。しおりに「諸経費」という語は一度も出てこず、学寮経費の表にも給食の基本料にあたる項目がありません。

残る半分は、寮のお知らせに載っていました。青峰寮が寮生保護者に宛てた「給食費の改正につきまして」(令和7年2月)です。

食材費 諸経費
現行(令和5年4月〜) 900円 405円
変更後(令和7年4月〜) 970円 445円

変更後の食材費が、しおりの970円と朝昼夕の内訳まで一致します。つまり1日あたり 970+445=1,415円が現行の給食費です。これで鈴鹿の月額も他校と同じ形で出せるようになり、給食が月20日なら約45,500円、30日なら約59,650円になります。

各校のページでは、この学校だけ出典を2行に分けています。住む費用はしおり、食費は改正通知。片方だけが新しくなったときに気付けるようにするためで、1行にまとめると、どの数字がどちらの資料から来ているのかが消えてしまいます。

私立4校は前提そのものが違う

私立の4校は、そもそも寮費の考え方が国立と異なります。

学校 月額 内容
神山まるごと高専(徳島) 100,000円 寮費に食費を含む(年額120万円で一括表示)
国際高専(石川) 98,000円 寮費45,500円+食費52,500円
近畿大学高専(三重) 約44,333〜54,833円 食費は日額1,050円
サレジオ高専(東京) 40,000円 食費を含まない(寮が食事を提供せず自炊)

サレジオ高専の40,000円は、他校の金額と直接は比べられません。寮が食事を出さないため、この額に食費がまるごと乗ります。金額だけを並べると安く見えてしまう典型例です。

入寮費は33校で設定あり

月額のほかに、入寮時にまとまった費用を設定している学校が33校あります。中央値は6,000円ですが、1,500円の学校から100,000円の学校まで幅がありますので、入学初年度の資金計画では「入学料+前期授業料+入寮費+寝具・生活用品」をセットで見積もっておくと安心です。学費全体の考え方は学費ガイドにまとめています。

5年間でいくらになるか

中央値の月48,900円を単純に12か月×5年で計算すると、約293万円。国立高専の学費(5年間でおよそ150〜170万円)のおよそ2倍です。

ただしこれは上限に近い見積もりです。長期休業中に閉寮する学校では給食費を徴収しませんし、帰省の頻度によっても変わります。「学費よりも寮費のほうが大きい」という関係が成り立つことだけ押さえておけば、桁は間違えません。進学先を選ぶうえでは、学校ごとの学費の差より寮に入るかどうかのほうが家計への影響がはるかに大きくなります。

保護者のための確認チェックリスト

各校の募集要項・寮案内を見るときは、次の項目を同じ表に書き出すと比べやすくなります。

  • 食費が月額か日額か。日額なら、給食は月に何日出るか
  • 土日・長期休業中に給食が出るか。出ない場合の食事はどうするか
  • 運営費・光熱水費が月額に含まれているか、別途か
  • 冷暖房費・空調費が別立てになっていないか(半期でまとめて請求する学校があります)
  • 入寮費・保証金など入寮時の一時金
  • 寝具のレンタル料など、任意だが実際にはほぼ全員が払う費用

このうち最初の2つで、月額は1万円以上変わります。当サイトの各校詳細ページには、上の4費目に分けた内訳と出典URL・確認日を載せていますので、候補校が絞れたら必ず一次情報にあたってください。

まとめ

  • 国立高専の寮費は月額の中央値で約48,900円。半数が約42,000〜53,300円
  • 部屋代は51校中48校が月700円で、学校差はほとんどない
  • 差をつくるのは食費で、月額の約4分の3を占める。金額の高低は食事の提供日数の差とほぼ同じ
  • 食費が日額でしか公表されていない17校は、月額が一つの数字に決まらない
  • 5年間では約293万円で、学費のおよそ2倍

寮のある学校は学校検索の寮フィルタで絞り込めます。気になる学校は比較ツールで学費と併せて見比べてください。寮生活そのもののイメージは寮生活ガイドで解説しています。

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