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神山まるごと高専とは?学費・授業・SP活動・全寮制を徹底解説【2026年版】

【注意】高専に学校別の偏差値は公的に存在しません ネット上にある「高専の偏差値ランキング」は、特定の模試データや普通高校の基準を無理に当てはめた推測値であり、実際の難易度とは異なります。当サイトでは偏差値の数値を一切掲載せず、公式の「倍率」と「入試方式」で難易度を示しています。 詳しくは 高専の偏差値ランキングの真実 をご覧ください。 ※本記事のデータは2026年7月時点の当サイト調べ(kosen.json照合済)です。最新情報は必ず各校の公式募集要項でご確認ください。

「神山まるごと高専ってどんな学校?」 「学費が無料って本当?どういう仕組み?」 「授業や課外活動はどんなことをするの?」

2023年4月、徳島県神山町に開校した神山まるごと高等専門学校は、全国から大きな注目を集めている新設の私立高専です。開校前から「学費実質無償化」「起業家育成」「全寮制」という独自のコンセプトがメディアで取り上げられ、入試倍率は毎年高い水準で推移しています。

本記事では、学費の仕組みから具体的な授業の様子、スカラーシップパートナー(SP)活動やチャレンジファンドといった独自の課外活動、全寮制の1日の生活まで、受験生・保護者が知りたい情報を徹底的に解説します。


神山まるごと高専の基本情報

神山まるごと高専は、「テクノロジー×デザイン×起業家精神」を教育の3本柱に掲げ、「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指す学校です [1]。

項目 詳細
学校名 神山まるごと高等専門学校(私立)
所在地 徳島県名西郡神山町神領字大埜地343
アクセス 徳島駅からバスで約60分
設置学科 デザイン・エンジニアリング学科(1学科のみ)
定員 1学年40名(5学年で計200名)
生活環境 全寮制
女子比率 44.0%(令和7年度)[2]

徳島県神山町は、IT企業のサテライトオフィスが集積する「地方創生の聖地」として知られています。この豊かな自然と最先端のビジネスが交差する環境で、全国から集まった学生たちが全寮制で学んでいます。


なぜ「学費実質無料」なのか?その仕組みと実際の費用

神山まるごと高専が全国的な話題となった最大の理由の1つが、「学費実質無償化」の実現です。私立高専でありながら、なぜこのようなことが可能なのでしょうか。

スカラーシップパートナー制度の仕組み

本来、神山まるごと高専の学費は年間200万円に設定されています。しかし、第一線で活躍する企業が「スカラーシップパートナー(SP企業)」として奨学金基金に多額の寄付を行っており、その財源をもとに、希望する学生全員に学費と同額(年間200万円)の給付型奨学金が支給されます。これにより、学費が「実質無料」となります。

SP企業は単なる寄付者ではありません。後述するように、学生は在学中にSP企業と年間を通じた共同プロジェクト(SP活動)を行い、「お金を出してもらう」だけでなく「一緒に社会を変えるプロジェクトを進める」関係を築いています。

費用の全体像

費用項目 本来の金額 奨学金・サポート制度
入学金 230,000円 世帯年収398万円以下の場合は全額給付
学費 年間 2,000,000円 希望者全員に全額給付(実質無料)
寮費・食費 年間 1,200,000円 世帯年収の9.03%以下の負担になるよう設計(年収398万円以下は最大120万円給付)

このように、経済的な理由で進学を諦めることがないよう、徹底した支援体制が整えられています。


3本柱の独自カリキュラム:何を学ぶのか?

神山まるごと高専の「デザイン・エンジニアリング学科」では、従来の工業高専とは全く異なるアプローチで教育が行われます。カリキュラムは以下の3つの柱で構成されています。

1. テクノロジー(プログラミングと数字に強くなる)

すべてのモノがネットに接続される未来に向けて、ソフトウエア分野を中心とした情報工学からIoTを理解するための電子工学までを学びます。主な学習内容はプログラミング、アルゴリズム、電子工学、IoT、AI、データ分析、セキュリティです。週3コマのプログラミング演習が設けられており、1年次から実践的なスキルを積み上げていきます。

2. デザイン(絵と言葉に強くなる)

自分のつくりたいモノを絵にして言語化する力を養います。デッサン、Webデザイン、UI/UXデザイン、建築設計、映像、3DCG、ゲームエンジンなど、社会に受け入れられる魅力あるモノを形にする力を身につけます。4年次にはプロダクトデザインや建築ワークショップ演習など、より高度で実践的なデザインスキルを磨きます。

3. 起業家精神(社会と接合する)

ビジネスの基本や起業の仕方だけでなく、他者を巻き込む力やコミュニケーション力、失敗を糧に前に向かうレジリエンスを実践を通じて身につけます。第一線で活躍する起業家が直接指導にあたり、3年次以降は「アントレプレナーシップ演習」や「起業ワークショップ演習」を通じて、実際にビジネスを創り出す経験を積みます。

各学科の詳しいカリキュラムは 神山まるごと高専の詳細ページ をご覧ください。


授業の様子:どんな授業が行われているのか?

神山まるごと高専の授業は、「正解のない問いに向き合う」スタイルが特徴です。以下に代表的な授業を紹介します。

ITブートキャンプ(1年次)

入学直後から始まる集中プログラミング研修です。「まずはやってみる」スタイルで、今まで教えてもらったことだけでは解けないような問題に取り組みます。SP企業の社員も参加し、学生と一緒に最終日に成果発表を行います。

SFプロトタイピング

SF小説家の先生と一緒に、現代の常識を一切無視した遠い未来の世界をイメージして具体的な物語をつくる授業です。「技術がどう社会を変えるか」を想像する力を養い、プロダクト開発やビジネスアイデアの発想力につなげます。

プログラミング演習II(2年次):LINEアプリ開発

2年次のプログラミング演習では、実際に社会に役立つアプリを制作します。2024年度はLINEヤフーとの連携により、LINEのプラットフォームを使ったアプリ開発に取り組みました。学生たちは「食堂のメニューをLINEで事前予約する」「欠食届けをLINEで簡単に出せるようにする」など、自分たちの生活上の課題を解決するアプリを開発。「身近なものをつくるからモチベーションが上がる」という声が上がるほど、主体的な学びが生まれています。

コーチング(全学年)

一流のスポーツ選手や経営者が受けるようなプロコーチとの1対1の対話の時間が、全学年を通じて設けられています。自分の心や気持ちを言語化し、自分の意思を明確にする力を育てます。ジャーナリング(日記を書く)やマインドフルネスの実践も取り入れられており、「自分と向き合う時間」として学生から大切にされています。

アントレプレナーシップ演習(3年次以降)

起業家精神を実践的に学ぶ演習です。ビジネスモデルの構築、市場調査、プロトタイプ開発、投資家へのピッチ(発表)など、実際の起業プロセスを疑似体験します。


SP活動(スカラーシップパートナー活動):企業と一緒に社会を変える

神山まるごと高専の最大の特徴の1つが、「SP活動」と呼ばれる課外活動です。これは、学費の無償化を支えるSP企業と学生が、単なる寄付・奨学金の関係を超えて、年間を通じた共同プロジェクトを行う仕組みです。

SP活動の仕組み

入学時に各学生は担当のSP企業に割り当てられ、同じSP企業と5年間継続して活動します。各学年のテーマは以下のように設定されています。

学年 活動テーマ
1年次 企業理解(ビジネスモデル・組織・社風・文化を学ぶ)
2〜4年次 共同プロジェクト(技術・デザイン・ビジネスを組み合わせた実践活動)
5年次 新規事業創出(プランの構想・提案・モノづくりでアウトプット)

活動頻度はSP企業によって異なりますが、例えば富士通との活動では週2回(各90分)の定例活動が行われています。役員を含む研究者・デザイナー・事業部メンバーなど様々な職種の社員と協働することで、学生は「大人と対等に仕事をする」経験を在学中から積みます。

SP活動の具体例(富士通との連携)

2023年度には、富士通との共同プロジェクトとして、文響社と富士通が共同制作した学習ドリル「Fujitsu×うんこドリル AIとのつきあい方」の1ページを神山まるごと高専の学生が担当しました。富士通のAI研究者やプロのデザイナーとディスカッションを重ね、子どもたちに興味を持ってもらいやすい内容を学生のアイデアで実現しました。

午後の授業が比較的自由に設計されているのも、このSP活動を可能にするための工夫です。


チャレンジファンド:自分のアイデアを資金化する仕組み

神山まるごと高専には、学生の課外活動を資金面で支援する「チャレンジファンド」という独自の制度があります。

部活やサークル、個人プロジェクトを立ち上げたい学生は、活動計画を作成してピッチ(プレゼン発表)を行い、審査に通れば活動資金が給付されます。「アイデアを出すだけで終わらせず、実際に形にする」ための仕組みであり、まさに起業家精神を育む神山まるごと高専の理念を体現した制度です。

LINEアプリ開発などの授業成果がチャレンジファンドと組み合わさることで、「授業で生まれたアイデアが実際のサービスとして世に出る」可能性も生まれています。


全寮制の生活:1日のスケジュール

神山まるごと高専は完全な全寮制です。施設は「HOME(ホーム)」(寮・食堂)と「OFFICE(オフィス)」(教室・研究室)が鮎喰川を挟んで向かい側に位置しており、学生は毎朝川を渡って登校します。

公式サイトで公開されている「学生の1日」をもとに、1日の流れを紹介します。

時間 内容
7:00 起床。寮の窓から神山の山々を見渡す
8:00 上級生・下級生混合のユニットで朝のあいさつ
8:30 HOMEからOFFICEへ登校(鮎喰川を渡る)
9:00 1限目(プログラミングなど)
10:30 2限目(SFプロトタイピングなど)
12:00 昼食(「日本で一番地産地食の給食」を目指す神山産食材)
14:00 コーチング(プロコーチと自分の内側と向き合う時間)
16:00 SP活動(放課後にSP企業との共同プロジェクト)
18:00 夕食・神山温泉(自転車で5分)
20:00 Wednesday Night(毎週水曜夜:起業家との交流会)
23:00 就寝

全寮制の特徴:「HOME」という生活空間

寮は単なる宿泊施設ではなく、「HOME(ホーム)」と名付けられた生活空間として設計されています。上級生と下級生が混合のユニットで生活し、年齢を超えた仲間として切磋琢磨します。旧神山中学校を改修した建物を活用しており、地域との結びつきも大切にしています。

Wednesday Night(水曜夜の起業家交流会)

毎週水曜日の夜には「Wednesday Night」と呼ばれる起業家との交流会が開催されます。毎週、東京でも会うことが難しいような起業家たちが神山町を訪れ、授業以外でも話を聞き、共に食事をし、時に焚き火を囲みます。「こんな風になりたい!」「大人になるって面白いかも」という感覚が自然と育まれる環境です。


入試倍率と学費(2026年度最新データ)

神山まるごと高専の入試は、一般的な学力テストだけでなく、「学校とのマッチング」を非常に重視しています。

代表倍率の目安

神山まるごと高専の代表倍率は約12.3倍です(当サイト集計・最新年度/全学科・全方式合算)。これは全国の高専のなかでも最も高い水準であり、全国有数の高倍率校です。 ※2026年度は志願者数491名に対し合格者数44名という、極めて狭き門となっています。

※高専の倍率の正しい読み方については、高専の倍率まとめ を参考にしてください。

入試方式の特徴

入試は大きく分けて以下の2つの方式があります。

方式 内容
A/B方式(マッチング重視) 課題レポートと面接を中心に、アドミッションポリシーとの合致度を多面的に評価
C方式(学力+面接) 数学と英語の学力試験+面接。数検準2級で数学70%換算、2級以上で90%換算の優遇措置あり

まとめ:神山まるごと高専に向いているのはどんな人?

神山まるごと高専は、以下のような中学生に強くおすすめできる学校です。

学費実質無償化という強力なサポート体制のもと、最先端のテクノロジーとデザイン、そして起業家精神を学べる環境は、日本全国を探しても他に類を見ません。倍率は高いですが、挑戦する価値は十分にあります。興味がある方は、ぜひオープンキャンパスやオンライン説明会に参加してみてください。


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References

[1] 神山まるごと高等専門学校 公式サイト: https://kamiyama.ac.jp/ [2] 国立高等専門学校機構「各高専における在学生数及び女子学生比率(令和7年度)」: https://www.kosen-k.go.jp/wp/wp-content/uploads/2025/08/R7_gakusei_table.pdf

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