「高専から大学に編入する人って、どこの大学に行くの?」 「東大や京大にも編入できるって本当?」
高専(高等専門学校)卒業生の約4割が進学を選び、その多くが「国立大学の3年次編入」を目指します。高専からの編入試験は、一般の大学受験(共通テスト+二次試験)とは全く異なる独自のルートです。
本記事では、高専生を積極的に受け入れている大学群と、それぞれの特徴・難易度について解説します。
1. 高専生のための大学:技術科学大学(技科大)
高専からの編入先として最もメジャーであり、圧倒的な受け入れ枠を持っているのが「技術科学大学」です。全国に2校しかありません。
- 長岡技術科学大学(新潟県)
- 豊橋技術科学大学(愛知県)
特徴
- 学生の約8割が高専出身者:高専からの編入を前提に設立された国立大学です。
- 推薦入試枠が非常に大きい:高専での成績が一定基準を満たしていれば、推薦入試(面接のみなど)で合格できる可能性が高いです。
- カリキュラムの接続がスムーズ:高専の教育内容をベースにカリキュラムが組まれているため、編入後の単位認定や授業の接続が最もスムーズです。
- 大学院進学率が高い:ほとんどの学生がそのまま大学院(修士課程)へ進学し、大手メーカー等へ就職します。
2. 地方国立大学(工学部・理学部)
各都道府県にある地方国立大学の工学部も、高専生にとって非常に有力な編入先です。
主な大学例
- 北海道大学、東北大学、九州大学などの旧帝大を除く、全国の国立大学(例:新潟大学、信州大学、岡山大学、熊本大学など)
- 工業系の単科大学(例:九州工業大学、名古屋工業大学など)
特徴
- 地元志向の学生に人気:自分の出身地や、通っている高専の近くの国立大学を選ぶ学生が多いです。
- 試験科目が少ない:数学、専門科目、英語(TOEIC)の2〜3科目で受験できる大学が多く、対策がしやすいです。
- 複数受験が可能:各大学で試験日程が異なるため、日程が被らなければ3〜4校を併願受験できます。
3. 難関国立大学・旧帝大(東大・京大・東工大など)
高専から、日本トップクラスの難関国立大学へ編入することも十分に可能です。
主な大学例
- 旧帝大:東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、北海道大学
- 難関理工系:東京工業大学(現・東京科学大学)、筑波大学、横浜国立大学など
特徴
- 一般入試よりは「入りやすい」が、編入試験の中では最難関:共通テストを受けずに東大や京大に入れるため「裏ルート」とも呼ばれますが、編入試験の数学や専門科目の難易度は非常に高く、全国の優秀な高専生同士の激しい競争になります。
- 英語(TOEIC/TOEFL)のハイスコアが必須:難関大の編入では、TOEICで700点〜800点以上、あるいはTOEFLのスコア提出が求められるケースが多いです。
- 単位認定が厳しい:編入後に高専の単位が認められにくく、3年生・4年生で大量の授業を履修しなければならない(留年リスクがある)大学もあります。
4. 私立大学・文系学部への編入
少数派ですが、私立大学や文系学部へ編入するルートもあります。
特徴
- 私立大学(早慶・MARCH・関関同立など):編入枠を設けている大学もありますが、国立大学に比べて枠が少なく、学費も高いため、高専生からの人気は国立大学ほど高くありません。
- 文系学部への編入(文転):経済学部、経営学部、法学部などへ編入する学生も毎年一定数います。ただし、専門科目の試験が「経済学」や「法学」になるため、高専の勉強とは別に独学で対策する必要があります。
まとめ:高専からの編入戦略
高専から大学編入を目指す場合の一般的な戦略は以下のようになります。
- 第一志望:旧帝大や難関国立大学(東大、東工大、筑波大など)
- 第二志望(滑り止め):地方国立大学(地元の大学など)
- 安全校:技術科学大学(長岡・豊橋)の推薦入試、または専攻科
一般の大学受験と異なり、「日程さえズレていれば国立大学を何校でも受けられる」のが高専編入の最大のメリットです。 高専の1〜3年生のうちから数学と英語(TOEIC)の基礎を固めておけば、旧帝大への進学も決して夢ではありません。




