「高専に落ちたらどうすればいい?」 「高専と公立高校は両方受けられる?」
高専(高等専門学校)の受験を考えている中学生や保護者の方にとって、「万が一落ちたときのこと」は必ず考えておく必要があります。
結論から言うと、高専の入試は公立高校の入試より約1ヶ月早く行われるため、高専に不合格になっても、公立高校の受験に十分間に合います。本記事では、高専不合格後の選択肢と、後悔しない受験スケジュールの組み方を解説します。
高専の入試スケジュールと公立高校との関係
| 入試の種類 | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高専 推薦選抜 | 1月中旬(令和9年度は1月16日の学校あり)[1] | 不合格でも学力選抜に出願できる学校が多い |
| 高専 学力選抜 | 令和9年度は2027年2月14日(日)[2][3] | 全国共通問題。追試験は2月21日 [2] |
| 高専 合格発表 | 検査の5日後〜19日後(学校で違う) | 令和8年度は2月13日〜2月27日 |
| 私立高校 入試 | 1月〜2月上旬 | 高専の前後に受験可能 |
| 公立高校 入試 | 2月下旬〜3月上旬 | 都道府県ごとに日程が決まっている |
ここが重要です。 「高専の発表は約1週間後」とまとめられがちですが、実際には学校で大きく違います。令和8年度に発表日を公表していた国公立9校を調べると、最も早い学校が検査の5日後(2月13日)、最も遅い学校が19日後(2月27日)でした。
つまり志望校によって、公立高校の日程と並走する期間の長さが変わります。発表が遅い学校を受けるなら、高専の結果を待たずに公立の準備を進める前提で組む必要があります。学校別の発表日は高専の合格発表は学校で2週間ずれる記事に一覧があります。
高専不合格後の選択肢
まず、推薦で落ちても学力検査に進める
推薦選抜で不合格になっても、そこで終わりではありません。学校によっては扱いが明記されています。
- 木更津高専は推薦の不合格者を、希望すれば学力入学者選抜で「本校第一志望受験者」として扱うとしています [4]。
- 八戸高専は推薦で不合格の場合、学力選抜受験者となるとしています [5]。
- 舞鶴高専は特別選抜(地域創生型・STEAM型)で合格内定にならなかった場合、自動的に一般推薦型の出願者になります [6]。
「推薦に落ちた」は「その高専を諦める」ことではありません。推薦がどれくらいの枠なのかは推薦で定員の何割を取るかの記事にまとめました。
選択肢1:公立高校を受験する(最も一般的)
高専に不合格になった後、地元の公立高校を受験するのが最も一般的な選択肢です。 注意点は、高専の受験勉強(数学・理科に特化)と公立高校の受験勉強(5教科バランス)は、出題傾向が異なる点です。高専の受験対策をしながら、公立高校の入試にも対応できるよう、国語・社会・英語の対策も並行して行っておく必要があります。
選択肢2:私立高校を「安全校」として事前に確保する
高専の受験前に、私立高校を「滑り止め」として先に合格を確保しておく方法です。 私立高校の入試は1月〜2月上旬に行われるため、高専の推薦選抜や学力選抜よりも先に受験できます。「私立高校の合格を手元に持った状態で高専を受験できる」という精神的な安心感は、本番のパフォーマンスにも良い影響を与えます。
選択肢3:翌年、高専を再受験する(高校1年生として再挑戦)
高専は高校1年生(15〜16歳)も受験できます。公立高校に進学した後、翌年に高専を再受験して合格した場合、高専の1年生として入学し直すことになります。 ただし、1年間のブランクが生じます。国立高専の学力選抜(共通の学力検査)は年1回・2月中旬なので、そこを狙う場合の機会は年1度です。推薦選抜は1月に別日程で行われ、私立高専は複数日程を設けています(近大高専の2027年度は1月12日・1月20日・2月20日)。志望校の入試日程は要項で確認してください。
後悔しない受験スケジュールの組み方
高専受験を成功させるための、理想的なスケジュール例を示します。
中学3年生の秋(9〜10月)
- 高専のオープンキャンパス・学校説明会に参加
- 志望校の過去問(直近5年分)を入手して難易度を確認
- 「滑り止め」となる私立高校・公立高校を選定しておく
中学3年生の冬(11〜12月)
- 高専の推薦選抜の出願基準(内申点)を確認
- 推薦基準を満たしている場合は推薦出願を検討
- 私立高校の出願・受験(1月)に向けた準備
1月
- 私立高校を受験し、「安全校」の合格を確保
- 高専の推薦選抜を受験(出願している場合)
- 推薦不合格の場合は学力選抜の対策を継続
2月
- 高専の学力選抜を受験(第2日曜日頃)
- 合格発表を確認(2月下旬頃)
- 不合格の場合は公立高校の受験に切り替え
「高専に落ちた」ことを引きずらないために
高専の倍率は、学校単位の代表倍率で見ると57校中49校が1.0〜1.9倍の範囲にあります。国公立で最も高いのは豊田高専の2.9倍、次いで木更津高専の2.6倍です。私立の神山まるごと高専だけが12.3倍と別格です。
つまり多くの学校で2倍を下回りますが、それは「誰でも受かる」という意味ではありません。受けているのが高専を目指して準備してきた層だからです。倍率の読み方は高専の倍率まとめと倍率だけで測れない難易度の記事にまとめています。
不合格になることは決して珍しいことではありません。
高専に落ちた場合でも、普通高校から大学の工学部に進学し、その後エンジニアとして活躍している人は無数にいます。「高専に合格すること」がゴールではなく、「エンジニアとして活躍すること」がゴールであることを忘れないようにしましょう。
また、普通高校に進学した後にも進路の選択肢は残ります。高校を卒業してから高専の本科に編入する制度を持つ高専があります。 たとえば東京高専の令和9年度編入学生募集要項では、高等学校・中等教育学校の卒業者および卒業見込者を出願資格に含め、5学科とも若干名を第4学年または第3学年に受け入れています(編入学年は選抜結果で決まり、志願者は選べません)。
募集する学科・学年・出願資格は高専ごとに違い、毎年募集があるとも限らないので、志望校の編入学案内で確認してください。高専卒業後に専攻科へ進む、大学へ編入するといったルートも、これとは別の制度です。
まとめ
- 高専の学力検査は公立高校より早い(令和9年度は2027年2月14日)[2][3]。
- ただし合格発表は検査の5日後〜19日後まで学校で違う。 志望校の発表日を先に調べて、公立の日程と並べる。
- 推薦で落ちても学力検査に進める学校が多い。木更津は「本校第一志望受験者」扱い [4]。
- 私立高校を「安全校」として事前に確保しておくと安心。
- 高専の対策(数学・理科重視の学校もある)と公立の対策(5教科)を並行する。志望校が傾斜配点かどうかは配点の記事で確認。
次のアクション
- 高専の合格発表は学校で2週間ずれる記事を読む
- 推薦で定員の何割を取るかを読む
- 高専の倍率の正しい読み方を知る
- 高専の入試制度(推薦・学力・帰国生徒)を詳しく読む
- 全国の高専一覧から志望校を探す
References
[1] 宇部工業高等専門学校 受験生応援サイト(推薦は令和9年1月16日): https://www.ube-k.ac.jp/prospective-students/ [2] 東京工業高等専門学校 入試情報(本試験2月14日・追試験2月21日): https://juken.tokyo-ct.ac.jp/entrance-exam/ [3] 仙台高等専門学校 入学者選抜案内: https://www.sendai-nct.ac.jp/admission/examination/selection/ [4] 木更津工業高等専門学校 中学生の方へ(入試情報): https://www.kisarazu.ac.jp/nyushi/nyushi_jhs [5] 八戸工業高等専門学校 令和8年度学生募集要項: https://www.hachinohe-ct.ac.jp/nyushi/docs/R08boshuyoukou.pdf [6] 舞鶴工業高等専門学校 令和9年度学生募集要項: https://www.maizuru-ct.ac.jp/wp-content/uploads/2026/07/youkou_chu_R09.pdf
※日程・倍率は各校の公表内容と当サイトの集計にもとづきます。倍率は志願者数の合計÷入学定員で、推薦と学力の両方に出願した人は重複して数えられています。年度によって変わるため、必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。





