「高専の建築学科に入ったら、どんな大会に出られるの?」 「ロボコンは知っているけれど、デザイン系の大会もあるの?」
高専の全国大会といえばロボコンとプロコンが有名ですが、もう一つ、デザコン(全国高等専門学校デザインコンペティション)があります。
この記事では、デザコンの5つの部門と、次の大会を中学生が見に行く方法をまとめます。デザコンは見学が自由で、小中学生向けの見学ツアーも用意されています [4]。
すぐ分かるデザコン
- 何の大会? 生活環境に関わるデザインや設計を競う、高専生の全国大会です [2]。
- 建築系だけ? いいえ。5部門あり、機械系向けの部門も、1〜3年生向けの部門もあります(後述)。
- 次はいつ? 第23回「デザコン2026 in 函館」が2026年11月7日(土)〜8日(日)、函館サーモン・まるなまホール(函館市民会館)で開かれます [4]。
- 見に行ける? 見学は自由です。小中学生向けの見学ツアーも実施予定です [4]。
デザコンの始まりは1977年の「研究交流シンポジウム」
デザコンは、いきなり全国大会として始まったわけではありません。
もとは昭和52年(1977年)に、明石高専と米子高専の建築学科が行った研究交流シンポジウムでした [3]。2校の学科同士の交流から出発し、参加校を増やしながら形を変えてきた大会です。
平成16年(2004年)から、全国高等専門学校連合会が主催する全国大会になりました [3]。2026年の函館大会が第23回にあたります [4]。
連合会は、デザコンを「日頃の学習成果を生かした生活環境関連のデザインや設計等を競う大会」と位置づけ、創造力と実践力に富む人材の育成に寄与することを目的として挙げています [2]。
参加の中心は土木系・建築系で学ぶ学生ですが、全国の高専生が参加する大会とされています [3]。学科の枠は、後で見るとおり部門によって変わります。
5つの部門
デザコンは単一の競技ではなく、5つの部門の集まりです [1][4]。「デザコン=建築模型のコンテスト」というイメージだけでは、半分しか見ていないことになります。
| 部門 | 何を競うか |
|---|---|
| 空間デザイン部門 | 建築・都市空間の設計提案 |
| 構造デザイン部門 | 構造物の模型で、軽さと耐荷重を競う |
| 創造デザイン部門 | 生活を豊かにする「モノ・コト」の提案 |
| AMデザイン部門 | 3次元デジタル設計・造形 |
| プレデザコン部門 | 低学年向けの部門 |
空間デザイン部門
建築物や都市空間の設計アイデアを提案する部門です。図面パネルと模型を制作し、審査員にプレゼンテーションを行います。
建物の見た目を作るだけでなく、その敷地が抱える課題をどう読み、どう解くかというリサーチと構想の部分が問われます。建築学科の学生が思い浮かべる「デザコン」は、多くの場合この部門です。
構造デザイン部門
指定された材料で橋などの構造物の模型を作り、どれだけ軽く作り、どれだけ重い荷重に耐えられるかを競います。
会場では模型に少しずつ荷重をかけていき、壊れる瞬間まで試します。観客として見ていていちばん分かりやすいのがこの部門で、材料力学・構造力学の計算と、計算どおりに作る工作精度の両方が要ります。
設計図のうえで成立していても、接着が甘ければその一点から壊れます。「計算と手を動かすことが地続き」という高専らしさが、最も直接に出る部門です。
創造デザイン部門
建築物に限らず、家具やプロダクト、地域の企画など、人の暮らしを良くする「モノ」や「コト」を幅広く提案する部門です。土木・建築の枠に収まらないテーマを扱えます。
AMデザイン部門(機械系の学生も出られます)
AM は Additive Manufacturing(積層造形=3Dプリンタなどによる造形)を指します。この部門は、もともと別に開かれていた「3次元デジタル設計造形コンテスト」が統合されたものです [3]。
つまりデザコンは、建築・土木系の大会に機械系の競技が合流した構造になっています。「デザコンは建築学科の大会」と思って機械系の学科を選んだ人が、実は出場できるというのがこの部門です。
プレデザコン部門(低学年向け)
低学年向けの部門です。全国大会にいきなり挑むのではなく、早い学年から全国の舞台を経験できる入口として置かれています。
入学して間もない学年でも参加の道があるという点は、中学生が進路を考えるときに知っておく価値があります。
各部門の課題・応募要件・提出物は、大会ごとに公式サイトの募集要項(PDF)で公開されます。年によって課題が変わるため、具体的な条件は必ずその年の募集要項でご確認ください [1]。
次の大会:デザコン2026 in 函館(2026年11月7〜8日)
第23回大会の概要は次のとおりです [4]。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会名 | 第23回 全国高等専門学校デザインコンペティション(デザコン2026 in 函館) |
| 会期 | 2026年11月7日(土)〜8日(日) |
| 会場 | 函館サーモン・まるなまホール(函館市民会館) |
| 主管校 | 函館工業高等専門学校 |
| メインテーマ | 広げる/広がる |
| 部門 | 空間デザイン/構造デザイン/創造デザイン/AMデザイン/プレデザコン |
中学生とその保護者にとっての「使いどころ」
この大会の見どころは、見学が自由で、さらに小中学生向けの見学ツアーが実施予定という点です [4]。
進路選びで「高専の建築系・デザイン系に興味はあるが、実際に何をするのか分からない」という段階の中学生にとって、学校説明会やオープンキャンパスとは別の情報が得られる機会になります。説明会では在校生の話を聞くことはできても、その学生が1年かけて作ったものが審査される場面を見られることはまずありません。
特に構造デザイン部門は、専門知識がなくても「どちらが強いか」が目の前で決まるので、中学生でも何が起きているか分かります。
函館は遠い、という場合は、大会は毎年場所を変えて開かれます [3]。来年以降に自分の地域で開かれる回を待つ、という見方もできます。
ロボコン・プロコンとの違い
高専の全国大会はデザコンだけではありません。性格の違いを並べると、こうなります。
| 大会 | 主に関わる分野 | 競うもの |
|---|---|---|
| デザコン | 建築・土木・デザイン(+機械系のAM部門) | 設計・構造・提案 |
| プロコン | 情報系 | プログラム・システム |
| D-CON | 分野を問わない | ディープラーニングを使った事業性 |
ロボコンのように全国放送される大会と違い、デザコンは会場で見るのが基本です。逆に言えば、会場に足を運べば、審査の過程まで見られるということでもあります。
高専の課外活動の全体像は、高専の部活動・課外活動の記事にまとめています。
進路への影響をどう見るか
デザコンでの受賞歴が就職や大学編入で有利に働くか、という点はよく聞かれます。
ここは確かめられる範囲だけ書きます。デザコンの結果は大会公式サイトで公表され、受賞した高専はそれぞれの公式サイトで実績として掲載しています。つまり、第三者が確認できる形で残る実績です。
一方で、「大手企業がデザコン受賞者を優遇している」といった採用側の評価基準は公表されておらず、当サイトでは裏づけを確認できていません。選考でどう扱われるかは学校・企業によって異なるとだけ申し上げ、断定は避けます。
進路の実績そのものを知りたい場合は、各校の就職・進学データをご覧ください。当サイトでは58校分を同じ基準で整理しています。
まとめ
- デザコンの起源は1977年の明石高専・米子高専の研究交流シンポジウム。全国大会になったのは2004年から [3]。
- 部門は5つ。建築・土木系だけでなく、機械系が関わるAMデザイン部門と、低学年向けのプレデザコン部門がある [1][4]。
- 第23回は2026年11月7〜8日・函館。見学は自由で、小中学生向けの見学ツアーも実施予定 [4]。
- 部門ごとの課題は年によって変わるため、条件は必ずその年の募集要項で確認を [1]。
次のアクション
- 函館高専の詳細データを見る(第23回の主管校)
- 高専の部活動・課外活動を読む
- 全国の高専を学科で絞り込む
References
[1] デザコン 全国高等専門学校デザインコンペティション(公式サイト): https://xn--tckf4c8j.com/ [2] 一般社団法人全国高等専門学校連合会「デザインコンペティションの紹介」: https://www.kosen-all.or.jp/contest/dezascon/guide.html [3] デザコン公式サイト「全国高専デザコンとは?」: https://xn--tckf4c8j.com/docs.php?n=about.txt [4] 函館工業高等専門学校「『デザコン2026 in 函館』が開催されます!」(2026年9月10日): https://www.hakodate-ct.ac.jp/2026/09/10/%E3%80%8E%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%B3%E3%83%B32026-in-%E5%87%BD%E9%A4%A8%E3%80%8F%E3%81%8C%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%81
※本記事は2026年9月時点の公開情報にもとづきます。大会の会期・会場・部門構成は年によって変わります。出場を検討する場合は、必ずその年の公式サイトと募集要項でご確認ください。





