「高専の数が増えるって本当?」 「新しくできる高専って、いつから受験できるの?」
近年、全国の複数の都市で新しい高専(高等専門学校)の設置計画が同時に進んでいます。国公立の高専は長らく増えていませんでしたが、いま久しぶりの新設ラッシュが起きているのです。
本記事では、2026年7月時点で公表されている滋賀県・愛知県・福岡市の新設高専計画について、各自治体・学校法人の公式発表をもとに、開校時期・所在地・学科構成・定員を整理します。いずれも計画段階の情報であり、内容は今後変更される可能性があります。 最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。
なぜ今、高専の新設が相次いでいるのか
背景には、2026年6月に文部科学省が示した高専の大幅な機能強化の方向性があります[1]。まだ決定事項ではなく検討段階ですが、主な柱は次の3つです。
- 準学士の「学位」化を検討:現在は「称号」の扱いである「準学士」を、海外でも通用しやすい正式な「学位」として授与する方向を打ち出した(6月内に有識者会議を設置し、年内をめどに政策パッケージとして取りまとめる予定)
- 基金による新設促進:基金を活用し、地域・産業界のニーズに応じた高専の新設を後押しする
- 教育分野の拡大:工業・技術系が中心だった教育分野を、農業やアニメーションなど非工業分野にも広げる
つまり今回の新設ラッシュは、各自治体が個別に動いているだけでなく、国全体で高専を増やしていく方針の一環だと言えます。
3府県の新設高専 比較まとめ
| 滋賀県立高専 | 愛知県立高専(仮称) | 福岡市立高専(仮称) | |
|---|---|---|---|
| 設置 | 県立(国公立) | 県立(国公立) | 市立(国公立) |
| 開校予定 | 2028年4月 | 最短2029年4月 | 2029年4月(令和11年) |
| 所在地 | 滋賀県野洲市 | 愛知県名古屋市千種区 | 福岡県福岡市(2キャンパス制) |
| 定員(1学年) | 120名 | 40名 | 80名(40名×2学級) |
| 学科・コース | 1年次はIT基礎共通→2年次から機械・電気電子・情報・建築の4コース | デザイン情報工学科(ロボティクス/AI・デジタルの2コース) | AI・データサイエンス・ソフトウェア・セキュリティ中心(学科名は検討中) |
| 特徴 | 国公立高専としては沖縄高専(2002年)以来27年ぶりの新設 | 既存の愛知総合工科高等学校の校地を活用 | 高専と高校の併設は全国初 |
※開校時期・学科名・定員は各自治体の公式発表に基づく2026年7月時点の情報です。今後の文部科学省の設置認可手続きにより変更される可能性があります。
滋賀県立高等専門学校
滋賀県にとって初めての県立高専で、2028年4月の開校を目指しています[2][3]。
- 所在地:野洲市市三宅(JR野洲駅から徒歩約20分)
- 定員:1学年120名
- 学科:1年次は全員がITの基礎を共通で学び、2年次から**機械工学・電気電子工学・情報工学・建築(各コース約30名)**の4コースに分かれる設計
- 寮:約50名収容の学生寮を計画
- 進捗:2026年6月から新築工事の入札公告が始まり、本格的な建設フェーズに入っています。2026年10月に文部科学省へ設置認可の申請を予定
国公立の高専としては、2002年開校の沖縄工業高等専門学校以来、27年ぶりの新設となる点が大きな特徴です。
愛知県立高等専門学校(仮称)
「ものづくり県」愛知県が構想する新しい県立高専です。最短で2029年4月の開校を目指しています[4][5]。
- 所在地:愛知総合工科高等学校の校地内(名古屋市千種区星が丘山手)。既存の高校施設を活用し、新規の建設を抑える設計
- 定員:デザイン情報工学科40名
- コース:ロボティクスコースとAI・デジタルコースの2コース。機械・電気・電子・情報を組み合わせ、社会課題の解決力を養う実践的なカリキュラム
- 運営:愛知県公立大学法人が設置・運営
- 進捗:2025年11月に基本構想を発表、2026年2月に学科・コース構成と初代校長予定者(水谷法美氏・名古屋大学)を決定
既存の高校と施設を共有する省コスト型の新設という点が特徴的です。
福岡市立高等専門学校(仮称)
福岡市が構想する市立高専で、2029年4月(令和11年)の開校を予定しています[6][7]。
- 所在地:2キャンパス制という珍しい形式で、低学年は福岡市立博多工業高校の校舎(油山キャンパス)、高学年は旧産学官連携施設(百道浜キャンパス)を活用
- 定員:1学年80名(40名2学級)
- 学科:AI・データサイエンス・ソフトウェア・セキュリティなど高度情報技術分野が中心。アントレプレナーシップ(起業家精神)教育や社会デザインも特色に
- 進捗:2025年12月時点で市議会の委員会に検討状況が報告された段階。内容は検討中で、今後変更される可能性が明記されています
高専と高校が同一敷地に併設されるのは全国初の試みです。AI・アントレプレナーシップを掲げる点は、私立の神山まるごと高専とも通じる方向性で、既存の高専とは一線を画す新しいタイプの高専になりそうです。
新設校を検討する家庭が知っておきたいこと
開校はまだ数年先。今の受験生には基本的に関係ない
3校とも開校は2028〜2029年の予定です。現在すでに高専受験を控えている中学生には直接関係しませんが、今の小学生や、きょうだいの進路を考えるうえでは有力な選択肢になり得ます。
卒業時の「学位」化の検討にも注目
前述のとおり、文部科学省は高専卒業生の「準学士」を正式な学位とする方向性を検討しています(年内に取りまとめ予定・現時点では未決定)。実現すれば、新設校に限らず既存の高専全体にとっても、卒業後の進路(大学編入や海外進学)の選択肢が広がる可能性があります。現在の「準学士」の位置づけは高専卒の学位「準学士」とは?で解説しています。
情報は必ず公式サイトで確認する
本記事の内容は、2026年7月時点で各自治体・学校法人が公表した構想・計画段階の情報です。学科名、定員、開校時期は、文部科学省の設置認可手続きなどにより今後変更される可能性があります。志望を検討する場合は、必ず各校の公式サイトで最新情報をご確認ください。
まとめ
- 滋賀・愛知・福岡で、それぞれ国公立の新しい高専の開校計画が進行中
- 背景には文部科学省の高専の機能強化・新設促進方針(2026年6月発表)がある
- 開校はいずれも2028〜2029年予定で、今の受験生よりも今後の学年・きょうだいにとっての選択肢
- 学科・定員・開校時期は変更される可能性があるため、必ず各校公式サイトで最新情報を確認する
高専は今後も、既存58校に加えて選択肢が広がっていきそうです。当サイトでも、新設校の情報は続報が入り次第アップデートしていきます。
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References
[1] 時事通信「高専卒業生に学位 新設促進、大幅機能強化へ―文科省」(2026年6月12日): https://www.jiji.com/jc/article?k=2026061200885&g=soc [2] 滋賀県立高等専門学校 公式サイト: https://shiga-kosen.usp.ac.jp/ [3] 滋賀県ホームページ「滋賀県立高等専門学校」: https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kosodatekyouiku/kousen/ [4] 愛知県「県立高等専門学校の学科・コースの構想及び初代校長予定者が決定しました」(2026年2月17日): https://www.pref.aichi.jp/press-release/kosen20260217.html [5] 日本経済新聞「愛知県、高専を名古屋市内に新設」: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD042J80U5A101C2000000/ [6] 福岡市「福岡市立高等専門学校の設置について」: https://www.city.fukuoka.lg.jp/kyoiku-iinkai/highereducation/child/kosen_sechcigaiyou.html [7] 日本経済新聞「福岡市、高専新設へ始動」: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC0347K0T00C25A3000000/
※本記事は2026年7月時点で公表されている情報をもとに作成した独立編集記事です。学科名・定員・開校時期などは計画段階のため変更される可能性があります。最新情報は必ず各自治体・学校の公式サイトでご確認ください。





