「高専に行きたいけど、機械やプログラミングより、化学実験やバイオテクノロジーに興味がある」 「将来は食品メーカーや化粧品、製薬会社で働きたい」
高専といえば「ロボット(機械)」や「IT(情報)」のイメージが強いですが、実は「化学・物質工学・生物(バイオ)」を専門に学べる学科も全国に多数存在します。
本記事では、化学・物質・バイオ系学科の特徴、卒業後の就職先、そして該当する学科を持つ全国の高専一覧をご紹介します。
化学・物質・バイオ系学科の3つの特徴
1. 実験が多く、実践的なスキルが身につく
ビーカーやフラスコを使った基礎的な化学実験から、電子顕微鏡や各種分析機器を使った高度な機器分析、微生物の培養や遺伝子操作(バイオ系)まで、大学の理学部・農学部レベルの実験を低学年から豊富に行います。「手を動かして実験するのが好き」という人にはたまらない環境です。
2. 女子学生の比率が高い
機械系や電気系の学科は男子が9割を占めることも珍しくありませんが、化学・バイオ系の学科は女子学生の比率が非常に高い(3割〜半数近くが女子)のが特徴です。そのため、クラスの雰囲気も他の工学系学科とは少し異なり、和やかな傾向があります。
3. 幅広い産業(衣食住)に関われる
化学や素材は、あらゆる産業の根幹を支えています。自動車の軽量化素材、スマートフォンの半導体材料、環境に優しいプラスチック、そして食品や医薬品など、卒業後の活躍の場は「製造業全般」に広がっています。
卒業後の進路(就職先と大学編入)
主な就職先業界
化学・物質系学科の卒業生は、以下のような業界の大手企業から強く求められています。
- 総合化学メーカー(花王、富士フイルム、旭化成、信越化学工業など)
- 食品・飲料メーカー(サントリー、味の素、アサヒ飲料、日清食品など)
- 製薬・化粧品メーカー(武田薬品工業、資生堂など)
- 素材・鉄鋼・エネルギー(日本製鉄、ENEOSなど)
職種としては、研究開発の補助、品質管理、生産技術、分析業務などの「技術職」として採用されます。
大学編入の選択肢
より高度な研究を行いたい学生は、大学の3年次へ編入します。
- 主な編入先:国立大学の工学部(応用化学科、物質工学科)、理学部(化学科)、農学部、薬学部など。
- 長岡技術科学大学や豊橋技術科学大学の物質・生物系課程への進学も人気です。
化学・物質・バイオ系学科がある高専一覧(エリア別)
学科名は「物質工学科」「応用化学科」「生物応用化学科」「材料工学科」など、学校によって異なります。
北海道・東北エリア
- 函館高専:物質環境工学科
- 苫小牧高専:創造工学科(応用化学・生物系)
- 八戸高専:産業システム工学科(マテリアル・バイオ工学コース)
- 一関高専:未来創造工学科(化学・バイオ系)
- 鶴岡高専:創造工学科(化学・生物コース)
- 福島高専:化学・バイオ工学科
関東・甲信越エリア
- 茨城高専:国際創造工学科(化学・生物・環境系)
- 小山高専:物質工学科
- 群馬高専:物質工学科
- 木更津高専:環境都市工学科(※環境化学分野を含む)
- 東京高専:物質工学科
- 長岡高専:物質工学科
- 長野高専:工学科(都市デザイン系・※環境化学分野を含む)
東海・北陸エリア
- 富山高専:物質化学工学科
- 石川高専:環境都市工学科(※環境化学分野を含む)
- 福井高専:未来社会デザイン工学科(材料・生物系)
- 岐阜高専:環境都市工学科(※環境化学分野を含む)
- 沼津高専:物質工学科
- 鈴鹿高専:材料工学科、生物応用化学科
近畿エリア
- 舞鶴高専:建設システム工学科(※環境化学分野を含む)
- 明石高専:都市システム工学科(※環境化学分野を含む)
- 奈良高専:物質化学工学科
- 和歌山高専:生物応用化学科
- 神戸市立高専:環境応用化学科
中国・四国エリア
- 米子高専:総合工学科(化学・バイオコース)
- 松江高専:環境・建設工学科(※環境化学分野を含む)
- 津山高専:総合理工学科(先進科学系)
- 呉高専:環境都市工学科(※環境化学分野を含む)
- 徳山高専:情報電子工学科(※一部材料系を含む)
- 宇部高専:物質工学科
- 阿南高専:創造技術工学科(化学コース)
- 新居浜高専:生物応用化学科
九州・沖縄エリア
- 久留米高専:生物応用化学科
- 有明高専:創造工学科(環境生命コース)
- 北九州高専:生産デザイン工学科(物質化学コース)
- 佐世保高専:化学・生物工学科
- 熊本高専:生物化学システム工学科(八代キャンパス)
- 大分高専:都市・環境工学科(※環境化学分野を含む)
- 都城高専:物質工学科
- 沖縄高専:生物資源工学科
※学科の改組等により名称が変更されている場合があります。最新の情報は各校の公式ウェブサイトで確認してください。
まとめ
- 化学・バイオ系学科は、実験が好きで、食品・化粧品・素材メーカーを目指す人に最適。
- 女子学生の比率が高く、高専の中でも比較的和やかな雰囲気がある。
- 就職先は総合化学から食品・製薬まで幅広く、大学の理学部・農学部への編入ルートも豊富。
「理系に進みたいけれど、機械やパソコンより、フラスコを振ったり顕微鏡を覗いたりする方がワクワクする」という方は、ぜひお近くの高専の化学・物質系学科のオープンキャンパスに参加してみてください。




