「電気工学科と電子工学科って、何が違うの?」 「電気系の学科を卒業すると、どんな会社に就職できるの?」
機械工学科と並んで、高専の歴史を支えてきた王道の学科が「電気・電子系」です。現代社会において電気を使わない産業は存在しないため、就職活動において最強クラスの強さを誇ります。
本記事では、電気系と電子系の違い(強電と弱電)や、全国で電気・電子系が学べる高専を一覧で紹介します。
「電気」と「電子」の違い(強電と弱電)
電気・電子系の学科は、扱う電気の「大きさ(エネルギー)」と「目的」によって、大きく2つの分野に分かれます。業界用語では「強電(きょうでん)」と「弱電(じゃくでん)」と呼ばれます。
1. 電気工学(強電:エネルギーとしての電気)
- 主な学科名:電気工学科、電気情報工学科
- 扱うもの:発電所、送電線、モーター、鉄道、家電の電源など、「大きなエネルギー」としての電気を扱います。
- 学ぶ内容:電磁気学、電力工学、電気機器学など。
- 就職先の傾向:電力会社(東京電力、関西電力など)、鉄道会社(JR各社)、重電メーカー(日立製作所、三菱電機など)、プラントエンジニアリング会社。
2. 電子工学(弱電:信号・情報としての電気)
- 主な学科名:電子工学科、電子情報工学科、電子制御工学科
- 扱うもの:スマートフォン、パソコン、半導体、センサーなど、「情報を伝えるための小さな信号」としての電気を扱います。
- 学ぶ内容:電子回路、半導体工学、通信工学、プログラミングなど。
- 就職先の傾向:半導体メーカー(ルネサス、キオクシアなど)、電機メーカー(ソニー、パナソニックなど)、通信会社(NTT、KDDIなど)、自動車メーカー(電装部品)。
※最近の高専では、この両方を幅広く学ぶために「電気電子工学科」として統合している学校が多くなっています。
電気・電子系学科がある高専一覧(エリア別)
全国の代表的な電気・電子系学科を持つ高専をエリア別にピックアップしました。(※学科改組により名称が変更されている場合があります。必ず最新の公式募集要項をご確認ください。)
北海道・東北エリア
- 苫小牧高専:創造工学科(電気電子系)
- 一関高専:未来創造工学科(電気・電子系)
- 鶴岡高専:創造工学科(電気・電子コース)
関東・甲信越エリア
- 小山高専:電気電子創造工学科
- 木更津高専:電気電子工学科
- 長野高専:工学科(情報エレクトロニクス系)
東海・北陸エリア
- 富山高専(本郷キャンパス):電気制御システム工学科
- 福井高専:未来社会デザイン工学科(電気電子系)
- 岐阜高専:電気情報工学科
関西エリア
- 舞鶴高専:電気情報工学科
- 奈良高専:電気工学科
- 和歌山高専:電気情報工学科
中国・四国エリア
- 松江高専:電気工学科
- 徳山高専:機械電気工学科
- 新居浜高専:電気情報工学科
- 阿南高専:電気コース(創造技術工学科)
九州・沖縄エリア
- 北九州高専:生産デザイン工学科(電気電子コース)
- 佐世保高専:電気電子工学科
- 大分高専:電気電子工学科
電気・電子系学科の強みと注意点
強み:就職先の幅広さと安定性
電気・電子系の最大の強みは、「インフラ(電力・鉄道)」から「最先端IT(半導体・通信)」まで、あらゆる業界から求められることです。景気の波に左右されにくく、就職活動で困ることはまずありません。また、「第三種電気主任技術者(電験三種)」などの強力な国家資格を、実務経験や一部試験免除で取得しやすいというメリットもあります。
注意点:数学と物理の難易度が高い
電気は目に見えないため、現象を理解するために高度な数学(微分積分、複素数など)と物理(電磁気学)を多用します。計算や抽象的な概念の理解が苦手な人にとっては、授業についていくのが非常にハードな学科でもあります。
まとめ
電気・電子系学科は、現代社会のインフラと最先端テクノロジーの両方を支える、非常に重要で就職に強い学科です。
「大きな機械やインフラを動かしたい(強電)」のか、「精密な電子機器や半導体を作りたい(弱電)」のかによって、選ぶべき研究室や就職先が変わってきます。オープンキャンパス等で、その高専がどちらの分野に強いのかを確認してみましょう。




