「高専を辞めたいと思っているけど、辞めたらどうなるの?」 「留年が決まったけど、続けるべきか辞めるべきか分からない」
高専の中退は、普通高校の中退とは意味合いが大きく異なります。高専は中学卒業後に入学する「高等教育機関」であるため、中退後の進路選択が複雑になります。
本記事では、高専を中退する主な理由、中退後に取れる進路(3年次修了者は大学入学資格を持つ点を含む)、そして「辞めるべきか続けるべきか」を判断するための基準を解説します。
高専を中退する主な理由
1. 学業不振(留年・赤点)
最も多い理由です。高専の数学や専門科目についていけず、複数の科目で単位を落として留年が決まった場合、そのまま続けることを諦めるケースがあります。
2. 進路の変更(「やっぱり普通高校に行きたい」)
入学後に「自分は工学より文系の勉強がしたかった」「大学受験をしたい」と気づき、普通高校への転入を希望するケースです。
3. 精神的な不調(不登校・人間関係)
寮生活や5年間という長い在学期間の中で、精神的に追い詰められてしまうケースも存在します。
中退後の3つの進路
ルート1:普通高校への転入(最も一般的)
高専を1〜3年生の間に中退した場合、普通高校の同学年(または1学年下)に転入することができます。
- メリット:大学受験(一般入試)という選択肢が開かれる。友人関係をリセットして再スタートできる。
- 注意点:転入できる学校・学年は、中退のタイミングと取得済みの単位数によって異なります。早めに転入先の高校に相談することが重要です。
ルート2:高卒認定試験(高認)の取得
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格することで、大学・専門学校の受験資格を得ることができます。
- メリット:自分のペースで勉強でき、最短で半年〜1年で取得できる。
- 注意点:高卒認定はあくまで「大学受験の資格」であり、「高校卒業」の学歴にはなりません。就職活動では「高校中退」扱いになる企業もあります。
3年次を修了していれば、大学入学資格があります
見落とされがちですが、高専の第3学年の課程を修了していれば、その時点で大学入学資格が認められます(学校教育法施行規則第150条)。高校卒業や高卒認定をあらためて取らなくても、大学の一般選抜等に出願できます。
これは「高校卒業の資格が得られる」という意味ではありません。学歴としては高専中退のままで、就職活動での扱いは変わりません。また、出願できる学年・時期や修了見込者の扱いは大学ごとに違うので、志望校の募集要項で確認してください。
高専で3年次まで修了して退学した人を出願資格に明記している高専の編入学試験もあります(東京高専の令和9年度編入学生募集要項など)。
出典:文部科学省「大学入学資格について」 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314.htm
ルート3:就職(高専中退として)
高専を中退して、すぐに就職するルートです。
- メリット:早く社会に出て実務経験を積める。
- 注意点:高専中退(高校中退と同等の扱い)は、就職市場において非常に不利です。高専卒(5年間修了)の強みは完全に失われるため、このルートは慎重に考える必要があります。
「辞めるべきか続けるべきか」の判断基準
続けることを強くおすすめするケース
- 留年が決まったが、学業不振の原因が「勉強法の間違い」や「特定の科目の苦手意識」であり、改善の余地がある場合。
- 精神的な不調が、一時的なもの(人間関係のトラブル、環境への不適応)であり、カウンセリングや休学で回復できる可能性がある場合。
中退を検討してもよいケース
- 「工学・理系の勉強に全く興味が持てない」という根本的な適性の問題がある場合。
- 精神的な不調が深刻で、在学を続けることが健康を著しく損なうリスクがある場合。
最も重要なのは、「衝動的に辞めない」ことです。 中退を考えた場合は、必ず担任の先生やスクールカウンセラーに相談し、「休学」という選択肢も検討してください。高専には休学制度があり、最長1〜2年間、在籍したまま学校を休むことができます。
まとめ
- 高専の中退後の主な進路は「普通高校への転入」「高卒認定」「就職」の3択。
- 高専卒(5年修了)の価値は非常に高いため、中退は慎重に判断すべき。
- 衝動的に辞めず、まず担任や学校カウンセラーに相談し、「休学」という選択肢も検討する。





