「高専卒で就職すると、大卒よりも給料が安くなるって本当?」 「同じ仕事をするのに、初任給に差があるのは不公平では?」
高専生の就職活動において、保護者や学生本人が最も気にするポイントの一つが「給与(初任給)」です。確かに、多くの企業において高専卒の初任給は、大卒の初任給よりも低く設定されています。
本記事では、なぜ初任給に差があるのか、そして「生涯年収」で考えた場合に高専卒は本当に損なのかを解説します。
高専卒と大卒の「初任給」の差
厚生労働省の調査や各企業の求人票を見ると、一般的な初任給の目安は以下のようになっています。
- 大卒(22歳)の初任給:約22万〜24万円
- 高専卒(20歳)の初任給:約19万〜21万円
企業によって異なりますが、高専卒の初任給は大卒よりも「月額2〜3万円程度」低く設定されているのが一般的です。
なぜ初任給が低いのか?
この差の最大の理由は「年齢(社会に出るタイミング)」です。 高専卒は20歳、大卒は22歳で入社します。日本の多くの企業(特に大企業)は、年齢や勤続年数に応じて給与が上がる「年功序列」の要素を残しているため、2歳若い高専卒の初任給が低く設定されているのです。
「22歳時点」で比較するとどうなる?
初任給だけを見ると高専卒が損をしているように見えますが、「同じ22歳になった時点」で比較すると見え方が変わります。
高専卒が20歳で入社し、2年間働いて22歳になった時、その給与は「昇給」によって上がっています。 多くの大企業では、「高専卒が入社3年目(22歳)になった時の給与」と「大卒の初任給(22歳)」がほぼ同額になるように給与テーブルが設計されています。
つまり、年齢ベースで見れば、給与水準に大きな格差があるわけではありません。
高専卒の「生涯年収」の考え方
では、一生涯で稼ぐお金(生涯年収)で比較するとどうでしょうか。高専卒には、大卒にはない以下の経済的メリットがあります。
1. 2年早く稼ぎ始めることができる
高専卒は20歳から働き始めるため、大卒が大学に通っている2年間(20歳〜22歳)で、すでに約600万〜800万円(給与+ボーナス)を稼いでいます。
2. 大学の学費(約250万〜500万円)がかからない
国立大学に2年間通う学費(約120万円)や、私立大学理系に通う学費(約300万円以上)、さらに一人暮らしの生活費などを支払う必要がありません。
この「2年早く稼いだお金」と「浮いた学費」を合計すると、22歳の時点で大卒に対して約1,000万円近い経済的アドバンテージを持っていることになります。
大企業での昇進・出世のリアル
「でも、高専卒だと大企業で出世できず、最終的な年収で大卒に抜かれるのでは?」という懸念もあるでしょう。
これについては、「企業と本人の実力次第」というのがリアルな実態です。
- 実力主義の企業(IT系・外資系など):学歴は全く関係なく、スキルと成果だけで給与が決まります。高専卒でも20代で年収800万円以上を稼ぐケースは珍しくありません。
- 伝統的な大企業(メーカー・インフラなど):過去には「大卒以上でないと課長になれない」といった学歴の壁(ガラスの天井)が存在する企業もありました。しかし近年は、実力主義への移行が進んでおり、高専卒でも現場のリーダー(工場長や管理職)として大卒以上の年収を得ている人は多数います。
まとめ
- 高専卒の初任給が大卒より低いのは「2歳若いから」
- 同じ22歳時点で比較すると、給与水準はほぼ同じになる
- 2年早く稼ぎ、大学の学費がかからないため、20代の経済的余裕は圧倒的
「初任給の額面」だけを見て高専を避けるのは非常にもったいないです。高専卒の就職先はトヨタやソニーなどの超優良企業が多く、福利厚生(家賃補助など)も含めれば、同年代の中でトップクラスの豊かな生活を送ることが十分に可能です。




