高専みらい
学費・奨学金
学費・奨学金更新 2026-08-017分で読めます

高専と「高校+大学」どちらが安い?進路ルート別の学費を試算して比較

高専5年の学費1,257,600円は、高校3年+国立大2年の同期間ルートより授業料ベースで約45万円安い試算に。2026年度に就学支援金の所得制限が撤廃されて高専1〜3年も授業料が実質0円になったため、支援制度を適用すると差は約80万円まで広がります。前提を明示した進路ルート別の学費比較を保護者向けに解説します。

目次
  1. 結論: 授業料ベースの試算では、高専ルートのほうが安くなります
  2. 試算の前提: この記事の数字はここまでしか含みません
  3. 比較①: 同じ20歳時点まで(高専5年 vs 高校3年+国立大2年)
  4. 比較②: 大学卒業まで(編入ルート vs 高校+大学4年)
  5. 2026年度改正後: 支援制度を適用すると、差はむしろ広がります
  6. 学費だけで進路を決めないでください
  7. まとめ
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結論: 授業料ベースの試算では、高専ルートのほうが安くなります

高専への進学を検討する保護者の方から必ず出てくるのが、「高専に5年通うのと、普通高校から大学に進むのと、結局どちらが安いのか」という疑問です。先に結論をお伝えします。

  • 同じ20歳時点まで(高専5年 vs 高校3年+国立大2年)を授業料・入学金の定価ベースで比べると、高専ルートが約45万円安い試算になります。
  • 大学卒業まで(高専5年+編入2年 vs 高校3年+国立大4年)で比べても、高専経由がやや安い試算です(約17万円差)。
  • そして2026年度(令和8年度)の制度改正で、この差はむしろ広がりました。就学支援金の所得制限が撤廃され、高専の1〜3年も高校と同じく授業料が実質0円になったためです。支援制度の適用後で比べると、差は約80万円(大学卒業まででも約52万円)になります。

以前は「就学支援金で高校が実質無償になるから差は縮む」と説明されることが多く、当サイトも改正前はそう書いていました。しかし高専側も1〜3年が無償化された結果、前提が変わっています。本記事では試算の前提をすべて開示したうえで、改正前・改正後の両方を並べて比較します。

試算の前提: この記事の数字はここまでしか含みません

まず、試算に使う金額と出典を明示します。

項目 金額 出典
国立高専(標準額) 入学金84,600円・授業料234,600円/年(5年間合計1,257,600円) 当サイト調べ(各校公式サイト/募集要項)
公立高校(全日制) 授業料118,800円/年 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」(支給上限額と同額)
国立大学 入学料282,000円・授業料535,800円/年 文部科学省令の標準額(大学により異なる場合あり)

そのうえで、次の3点を必ず押さえてください。

  • 試算に含むのは授業料と入学金(入学料)のみです。教材費・実習費・寮費・通学費・生活費、高校の入学料は含みません。
  • まず支援制度の適用前(定価)で比べ、そのあとに就学支援金を適用した実際の負担を示します。
  • 国立大学の授業料は標準額です。大学によってはこれと異なる場合があります。

ご家庭の所得や選ぶ進路によって結論は変わり得る、という前提でお読みください。

比較①: 同じ20歳時点まで(高専5年 vs 高校3年+国立大2年)

高専の5年間は、年齢でいうと「高校3年間+大学1・2年」に相当します。同じ20歳の春を迎えるまでにかかる学費を並べると、次のようになります。

ルート 内訳 合計
高専5年 入学金84,600円+授業料234,600円×5年 1,257,600円
高校3年+国立大2年 高校授業料118,800円×3年+大学入学料282,000円+大学授業料535,800円×2年 1,710,000円

差額は452,400円。授業料ベースでは、高専ルートのほうが約45万円少ない試算になります。理由はシンプルで、高専は「大学1・2年に相当する期間」も高専の授業料水準(年234,600円)のまま学べるのに対し、大学は年535,800円と授業料の単価が上がるためです。

比較②: 大学卒業まで(編入ルート vs 高校+大学4年)

「最終的に大学は卒業させたい」とお考えのご家庭も多いと思います。高専卒業後に大学3年次へ編入し、大学卒業まで行く場合の試算がこちらです。

ルート 内訳 合計
高専5年+国立大編入2年 1,257,600円+入学料282,000円+授業料535,800円×2年 2,611,200円
高校3年+国立大4年 授業料118,800円×3年+入学料282,000円+授業料535,800円×4年 2,781,600円

差額は170,400円。同じ「国立大卒」に至る道として比べても、高専経由がやや安い試算です。編入時に大学の入学料がもう一度かかるため差は縮まりますが、それでも逆転はしません。

なお、大学編入は決して珍しい進路ではありません。高専卒業者の約40%が大学編入や専攻科への進学を選んでいます(出典: 高専機構 高専の概要)。編入の仕組みや流れは高専からの大学編入ガイドで詳しく解説しています。

2026年度改正後: 支援制度を適用すると、差はむしろ広がります

ここからが本題です。2026年度(令和8年度)から、高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃されました。世帯年収にかかわらず、次の金額が授業料に充てられます。

学校種 支給上限(年額) 授業料(年額) 実質負担
公立高校 118,800円 118,800円 0円
国公立高専(1〜3年) 234,600円(月額19,550円) 234,600円 0円
私立高専(1〜3年) 457,200円(月額38,100円) 学校により異なる 差額のみ

ここで見落とされがちなのが、国公立高専の支給上限は公立高校の118,800円ではなく、授業料と同額の234,600円だという点です。そのため高専の1〜3年も、高校と同じく授業料の負担がゼロになります。

一方、高専4〜5年生は大学生と同じ扱いになり、就学支援金の対象から外れます(高等教育の修学支援新制度に切り替わりますが、こちらは所得要件があります)。この2年間の授業料469,200円は、多くのご家庭で実費になります。

これを踏まえて、比較①をもう一度計算します。

ルート 内訳 合計
高専5年 入学金84,600円+授業料234,600円×2年(1〜3年は0円) 553,800円
高校3年+国立大2年 高校0円+大学入学料282,000円+大学授業料535,800円×2年 1,353,600円

差額は799,800円。定価ベースの約45万円から、約80万円まで広がりました。高校側の356,400円が消えるより、高専側の703,800円(234,600円×3年)が消えるインパクトのほうが大きいためです。

大学卒業まで(比較②)も同様に計算すると、高専ルート1,907,400円に対して高校+大学4年ルートは2,425,200円で、差は517,800円になります。

以前は「高校が実質無償になるから差は縮む」と説明するのが定番でしたが、2026年度以降はその説明は当てはまりません。制度の全体像は学費・支援制度ガイド高専の奨学金・授業料免除まとめに整理していますので、必ず最新の公式情報とあわせてご確認ください。

学費だけで進路を決めないでください

最後に、この試算を踏まえたうえでのお願いです。授業料ベースでは高専ルートが安くなる試算をお示ししましたが、数十万円の差額だけで15歳の進路を決めるのは、おすすめしません

  • 高専は入学時点で専門分野を選ぶ学校です。カリキュラムも学校生活も普通高校とは大きく異なります。違いは高専と高校、進路はどう違う?をご覧ください。
  • 自宅から通えない場合は寮費や生活費がかかり、学費の差を上回ることもあります。
  • 本記事の試算は国公立高専が対象です。私立高専4校は学費水準がまったく異なるため、全58校の学費比較記事で個別にご確認ください。

学費の差は「高専を選ぶ理由のひとつ」にはなりますが、決め手はお子さん自身が5年間の専門教育に向いているかどうかです。気になる学校があれば学校検索で学費や寮の条件を確認し、候補が絞れたら比較ツールで並べて比べてみてください。

まとめ

  • 定価ベースの試算では、同じ20歳時点まで高専5年(1,257,600円)は高校3年+国立大2年(1,710,000円)より約45万円安い
  • 大学卒業までで比べても、高専5年+編入2年(2,611,200円)は高校3年+国立大4年(2,781,600円)より約17万円安い試算。
  • 2026年度から就学支援金の所得制限が撤廃され、国公立高専の1〜3年も授業料が実質0円に。支援制度を適用すると差は約80万円(大学卒業まででも約52万円)に広がります。
  • 高専4〜5年は就学支援金の対象外(修学支援新制度に切り替わり、所得要件あり)。この2年間の授業料469,200円は実費になるご家庭が多数です。
  • 教材費・寮費・生活費は別途かかります。学費の差だけでなく、お子さんとの相性で進路を選んでください。

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