高専みらい
学費

高専と「高校+大学」どちらが安い?進路ルート別の学費を試算して比較

結論: 授業料ベースの試算では、高専ルートのほうが安くなります

高専への進学を検討する保護者の方から必ず出てくるのが、「高専に5年通うのと、普通高校から大学に進むのと、結局どちらが安いのか」という疑問です。先に結論をお伝えします。

金額の差だけを切り取ると誤解が生まれやすいテーマなので、本記事では試算の前提をすべて開示したうえで、ルート別に順を追って比較します。

試算の前提: この記事の数字はここまでしか含みません

まず、試算に使う金額と出典を明示します。

項目 金額 出典
国公立高専(54校) 入学金84,600円・授業料234,600円/年(5年間合計1,257,600円) 当サイト調べ(各校公式サイト/募集要項)
公立高校(全日制) 授業料118,800円/年 文部科学省「高等学校等就学支援金制度」(支給上限額と同額)
国立大学 入学料282,000円・授業料535,800円/年 文部科学省令の標準額(大学により異なる場合あり)

そのうえで、次の3点を必ず押さえてください。

つまりこの記事の数字は「制度適用前の、授業料ベースの目安」です。ご家庭の所得や選ぶ進路によって結論は変わり得る、という前提でお読みください。

比較①: 同じ20歳時点まで(高専5年 vs 高校3年+国立大2年)

高専の5年間は、年齢でいうと「高校3年間+大学1・2年」に相当します。同じ20歳の春を迎えるまでにかかる学費を並べると、次のようになります。

ルート 内訳 合計
高専5年 入学金84,600円+授業料234,600円×5年 1,257,600円
高校3年+国立大2年 高校授業料118,800円×3年+大学入学料282,000円+大学授業料535,800円×2年 1,710,000円

差額は452,400円。授業料ベースでは、高専ルートのほうが約45万円少ない試算になります。理由はシンプルで、高専は「大学1・2年に相当する期間」も高専の授業料水準(年234,600円)のまま学べるのに対し、大学は年535,800円と授業料の単価が上がるためです。

比較②: 大学卒業まで(編入ルート vs 高校+大学4年)

「最終的に大学は卒業させたい」とお考えのご家庭も多いと思います。高専卒業後に大学3年次へ編入し、大学卒業まで行く場合の試算がこちらです。

ルート 内訳 合計
高専5年+国立大編入2年 1,257,600円+入学料282,000円+授業料535,800円×2年 2,611,200円
高校3年+国立大4年 授業料118,800円×3年+入学料282,000円+授業料535,800円×4年 2,781,600円

差額は170,400円。同じ「国立大卒」に至る道として比べても、高専経由がやや安い試算です。編入時に大学の入学料がもう一度かかるため差は縮まりますが、それでも逆転はしません。

なお、大学編入は決して珍しい進路ではありません。高専卒業者の約40%が大学編入や専攻科への進学を選んでいます(出典: 高専機構 高専の概要)。編入の仕組みや流れは高専からの大学編入ガイドで詳しく解説しています。

ただし: 就学支援金を考えると差は縮みます

ここからが正直にお伝えしたい部分です。上の試算は支援制度の適用前ですが、実際には高等学校等就学支援金制度があり、所得要件を満たすご家庭では公立高校の授業料(年118,800円)は支給上限額と同額、つまり実質無償になります。

その場合、比較①の高校側から356,400円が消え、差額の約45万円は約10万円まで縮みます。「高校は実質タダで通えるのだから、高専が特別安いわけではない」という見方にも、一定の根拠があるわけです。

一方で、高専側にも同じ仕組みがあります。

つまり支援制度を適用すると両ルートとも負担は下がり、差は縮む方向に働きます。どちらがいくら安くなるかは、ご家庭の所得、進学先、年度ごとの制度改正によって変わるため、一概には言えません。制度の全体像は学費・支援制度ガイドに整理していますので、必ず最新の公式情報とあわせてご確認ください。

学費だけで進路を決めないでください

最後に、この試算を踏まえたうえでのお願いです。授業料ベースでは高専ルートが安くなる試算をお示ししましたが、数十万円の差額だけで15歳の進路を決めるのは、おすすめしません

学費の差は「高専を選ぶ理由のひとつ」にはなりますが、決め手はお子さん自身が5年間の専門教育に向いているかどうかです。気になる学校があれば学校検索で学費や寮の条件を確認し、候補が絞れたら比較ツールで並べて比べてみてください。

まとめ

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